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有限会社 三八 代表インタビュー01
人で店が決まる。
- 2016/7/1
「工場設立、V字回復、徳島版松下村塾・・・ラーメン「三八」、三代目の挑戦!」
有限会社 三八
岡田 元一 代表取締役
徳島ラーメンが数多くある中で三八のラーメンの特徴は何でしょうか。
徳島の中だけで言えば、味が違う点ですね。元祖徳島ラーメンの茶色系ではないというところです。茶色系とはとんこつ醤油でこってりしているラーメンのことです。三八は黄色系と言い、マイルドで塩味の効いたスープに少し柔らかい麺を使用しています。創業以来、味は一度も変えていません。
もう一つの特徴は、手作りに拘っている点です。最近は全国的に機械化が進み、多くの商品を一度に作ってしまううちは極力手作りに拘っています。スープはもちろん、チャーシューや餃子のタネ(餃子の具の分部)など自社の従業員が拘って毎日毎日その日に使用する食材を手作りしています。今では餃子のタネを皮で包む工程は機械で行っていますが、昔はそこも手で包んでいました。手作り出来ないものは、委託業者に発注していますが、委託先も全て食材と手作りに拘っているところを厳選して、お付き合いしています。
2014年の1月に自社工場を作り、様々な食材を工場で一括に作れるようになりました。昔のように店舗それぞれで作ることがなくなったお陰で、店舗スタッフへの負担が減っただけでなく、スープの味にバラつきがでないなどの良いこと尽くしです。ちなみに、拘りのスープを作るために工場スタッフは毎日AM2時にスープの火を入れ、アクをすくう作業をずっとしてくれています。工場スタッフの毎日の努力とお客様のオーダーからいち早く商品を提供する迅速なキッチンスタッフ動き、そしてお客様に商品を提供するホールスタッフの笑顔を組み合わせたときに初めて、お客様に三八のラーメンを提供できるんです!
他にも工場を作ったことで変わったことはありましたか?
経費は安くなりました。 工場一括生産にしたことで2015年の1月から11月の期間で、水道光熱費が150万くらい安くなりました。また生産拠点を一か所に集中させることで効率が良くなりますよね。人も一か所に集中できるし、3分の2くらいの人数で作ることができるようになりました。
ラーメン店を経営する中で重きを置いている点は何ですか?
人です。特にどうすれば従業員の持ち味を活かし、またやりがいを持って働く事が出来るかについて常に考えています。簡単に言ってしまえば「モチベーション」です。皆が「やりがい」や「生きがい」を持って働けるような環境を作ることが自分の仕事だと思ってやっています。 味も人が作っているので、いくら良い素材で調理しても、調理する人がダメなら美味しいものは作れません。やはり人の育成が一番大事かなと考えています。
人の育成の中で大変な事は何ですか?
伝えたいことがちゃんと伝わっていないこと。僕の方が相手の事をきちんと理解しきれてないこと。コミュニケーションでの勘違いとかすれ違い。こういった些細なボタンの掛け違いが組織や会社を悪い方向に導いてしまうことがあります。
逆にそこをきちんとしていけば、会社としてもすごい力を発揮できるチームになっていくんじゃないかなと考えています。
すれ違いが生じたときの解決策とかあるのですか。
その人を認めるということです。弊社ではストレングスファインダーという強み診断を社員やアルバイトに受けてもらっています。人の考え方は幼いときの家庭や友人環境などによって構築されます。その考え方によって、何を大切にしているか、どのようなことにモチベーションを上げてくれるかを膨大なデータから幾つかに強みに分けて示してくれるのがストレングスファインダーの特徴です。よく「他人を変えることができない」と言いますが、その人に合った仕事をしてもらう・指示の出し方を工夫するなど自分の接し方によって相手の印象を変えることはできると思っています。それを踏まえた上で、今向かうべき目標や目的を絶対にブラさず、その人に『どの役割を担ってもらうか』そして『どうすれば力を発揮してくれるか』を考えると自ずと、この人はそういう風な考え方をするのだなとか、こういう風に捉えるんだなと思うことで、人に対してイライラすることがなくなりました。
相手に対していろいろ思うところはあったとしても、目的・目標を達成する為にどうすれば良いかを考える。そうしたら自分から相手にかける言葉であったり、自分の捉え方っていうのが少し変わったなと自分で気づきました。