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有限会社 三八 代表インタビュー02
挑戦、挫折そして再挑戦
- 2016/7/1
「工場設立、V字回復、徳島版松下村塾・・・ラーメン「三八」、三代目の挑戦!」
有限会社 三八
岡田 元一 代表取締役
人材育成に注力するようになったきっかけは何ですか。
前職の経験からです。僕の前職は大手飲食チェーンでした。その時に理不尽なことが多々ありました。例えば、20日以上出勤させられているのに、上司からタイムカードを月末に渡されて「20日の出勤でこのタイムカードを埋めろ」って言われて1日8時間で埋めるっていう。
これおかしいだろって思いながらね。あとは勤務時間外の勤務。そもそも勤務時間外って言う概念自体無かったけど、店で寝泊まりしたり、自分の店(高松)で食材がなくなったりしたら、彼女と県外へ旅行中であろうが会社から電話がかかってきて高松の店に帰ったりもしていました。
だから、自分が店を出すときは「こんな店にはしない」と心に決めていました。
今、思返すと 自分が出来てない部分が多かったなって思いますね。今だからこそ、そう思える。その反動からか、自分の店である田宮店が10年前にオープンした時はゆるく経営していました。そうすると規律がない店になってしまい、開店1年で売り上げが3分の1になってしまいましたね。
飲食店はオープン3ヶ月が好調で、そのあとは落ちると言う話を聞いてはいましたが3分の1になるとは思わなかった。これが原因で人がたくさん辞めてしまいました。オープニングスタッフが20人弱いたのに残ったのは2人と、私だけ。その経験から「ゆるくだけの経営はダメなんやな」と痛感しました。
その時去っていった人は「シフトに入れないためにお金が稼げない」といった理由や、ダラダラしている空気の時に僕が焦って厳しく言ったら「そんな厳しく言うなら嫌やわ」という理由で続々と辞めていく。
今でこそ開店当時の売上と同じかそれ以上ですが、2006年11月9日の売上が本当にひどくて「これはアカンわ」って思いましたね。当時お付き合いしていた方にその月末に別れようと告げたくらい、覚悟を決めて働きました。
その状況からお店がV字回復した切掛けは何ですか。
きっかけは“口コミ伝染病”と言う本との出会いでしたね。その当時、時間だけは持ち合わせていたので、ひたすら本を読んでいました。そこで読んだのがこの本やって、「これ実践してみよう!」って思って始めました。内容は簡単に言えば会員を募って自分のニュースレターを送るというものです。それを通じてお客さんにファンになってもらう。
2006年12月に実践し始めて、会員を集めるためにお客さんに意見を聞くアンケートを書いてもらい、それに対してはがきを使って返事をする、っていうことを1年くらいしたと思います。「200通まで言ったらニュースレターを送ろう」と決めてたんです。2008年1月にはニュースレター第1号として『三八新聞』というのものを創刊しました。そこから徐々に売上が上がっていきましたね。本の通りにやったら、いけるもんやな、って思いましたね。
手紙の返事は1年くらいやっていたのですよね。途中で「これやって意味あるのかな」とか思わなかったのですか。
それをやるという選択肢しかなかったので、意味あるのかとは思ったりしなかったです。ブログも2006年の冬くらいから始めて今もずっと書いています。何事も、継続することは難しいです。
ただお客さんからの反応で「読んだよ」とか、はがきに無料ソフトクリーム券を付け、来店の際は持ってきてくれたりと、何かしら反応があると嬉しいですね。今でもお客さんから頂いた改善点や嬉しい感想等は集めて、参考にさせていただいています。