どのような高校生活を送られたのですか？

　「人と関わるのは難しいな」と初めて実感したのが、高校生活でした。当時、なかなか彼女ができなかったんですよ。好きな子はいて、付き合ったこともあるけれど、ほんまに好きな子とちゃんと付き合えたかというと、少なかったです。同性の友達は、ある程度自分の好き嫌いで判断できるのですが、異性になってくるとなかなか自分の一方通行ではうまくいかないというのがあって。恋愛を通して、人と関わる難しさを知りました。これは、みんなが通る道だと思うのですが、悶々とした日々を過ごした記憶がありますね。

　あとは、普通に城南高校の軟式テニス部に入りました。テニスを中学・高校とやって、それなりにスポーツもやりました。今でも趣味の音楽も、この時期に始めました。勉強以外のところは、一通りやってきたという感じですね。

大学生活は楽しかったですか？

　楽しかったですね。なぜかというと、程よい距離間の友達が結構できたんですよね。あとは、東京での憧れの一人暮らしですね。住んでいたところが吉祥寺でして、サブカルチャーに長けた町でした。ちょっと歩けばマニアックなCDショップがあって、すごく刺激の多いところでした。当時は、今と違って東京じゃないとなかなかマニアックなCDが手に入らなかったので、そういう面ですごくよかったですね。

　あと、東京って面白いのが、東京で生まれ育った人と、地方から来た人が混ざり混ざって、カオスなところなんですよ。そういう世界観が、すごくいいなと思ってて。着飾っている人ほど実は地方の人が多い感じとか、そういう地方の人間も好きなんですよ。「そういうのいいよな」って。やっぱ東京って別格だなという風に思えて、ただただ楽しかったですね。

卒業後は、そのまま東京で働きたいと思っていましたか？

　働きたいとは思っていなかったですし、多分一生思わないですね。でも、結局東京で就職しました。友達の「面接楽だったよ」というフレーズが決め手になって、回転寿司屋に入社して、副店長をさせてもらうことになりました。

　でも、やっぱり精神的にしんどかったです。あまりストレス耐性に強くなくて、仕事内容というよりも人間関係にダメージを食らってしまいました。半径5メートル以内の人間関係にやられがちで、コミュニケーション取らずに済むならそれに越したことないと感じました。その経験から、ずっと会社に勤めるのは無理だ、将来実家で仕事をするしかないと実感しました。

そのタイミングで、家業を引き継ぐことを決められたのですね。

　そうですね。飲食業界から離れてフリーターをしながら、いつでも実家に帰って、ガラス工事の仕事ができるようにしようと考えました。うちの父や取引先の紹介もあり、東京のガラス工事店で2年間勤務をして、修業をさせてもらいました。

　その後、リーマンショックの時に徳島に帰りました。すると、どんどん周りの会社が潰れていくんですよね。本当に怖かったです。大体半年後にリーマンショックの余波が来て、徳島の経済、住宅施設にものすごく影響が出ました。そして、うちの売り上げにも一気に影響が出ました。「今のままでは無理だな、いよいよ自分で本気でやらないといけないな」と決意しました。

　だから、取りあえず生存戦略で立て直しをした後、「ResQ」というサービスを作りました。なぜなら、自分の別の会社とクライアントだけのサービスではなく、同じ業界の方々がもう少し独り立ちできるような仕組みを自分で作るべきだと考えたからです。

次の記事は、ガラス工事屋がIT事業を行う理由についてお聞きしました。

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